胃ポリープとは
胃の粘膜層の一部がイボのように表面が盛り上がり、周りより高くなっている部分をポリープと呼びます。ポリープがあっても症状がほとんど出現しないため、健康診断の際に発見されることがよくあります。無茎型、亜有茎型、有茎型に分けられています。
胃ポリープと胃がん
胃ポリープは大きく分けて2種類あります。
① 腫瘍性ポリープ
腫瘍性ポリープには良性と悪性があります。
良性の腫瘍性ポリープは腺腫と呼ばれるものが多く、将来的に10-30%は悪性化して、胃癌に進行すると言われています。
一方、悪性の腫瘍性ポリープはいわゆる胃癌のことです。
腫瘍性ポリープは、血管の増生を伴うので赤いものが多いです。
② 非腫瘍性ポリープ
健康診断でよく見つかるものとして、胃底腺ポリープと呼ばれるものがあります。症状がない場合には、通常は切除しなくても良いポリープであり、ヘリコバクターピロリ菌に感染していない胃(胃癌リスクが低い環境)に見られることが多い。
一方で、ピロリ菌感染している胃では、過形成ポリープと呼ばれる赤みの強いポリープが見つかるケースが多いです。通常は切除を必要としないことが多いですが、過形成ポリープは大きくなる場合もあり要注意です。出血を来したり、大きい場合は癌の合併率が上昇しますので、その場合は切除が必要となります。
内視鏡検査では、必要に応じてポリープの一部を採取します。病理検査を行うことでポリープの病理診断ができ、胃がんとの鑑別ができます。
治療方法
がん化リスクの低いポリープは経過観察を行います。ただし、出血を来したり、増大するポリープ、陥凹型腺腫などの場合は、内視鏡を用いて切除します。胃ポリープ切除の場合は、切除後人工的な胃潰瘍となるため、入院治療となることが多いです。担当医と相談し治療方針を決めましょう。