大腸がんとは
大腸がんは、直腸やS状結腸をはじめ全大腸に発生します。日本では近年、大腸がんの発症率が高くなっており、がんの死亡原因の上位に入っています。食生活の欧米化も発症リスクを高める要因となっております。
大腸ポリープや初期段階の大腸がんは、症状がほとんど出現しません。大腸ポリープが時間をかけて、大腸がんへ進行するケースが多いです。そのため、がん化しやすい大腸ポリープを早期に切除しておくことが大切です。大腸がんは、粘膜の表面に発生して、徐々に下に広がっていきます。進行がんは、筋層まで届いている状態でリンパ節転移、肝転移、肺転移する可能性があります。初期段階の大腸がんであれば、体への負担の少ない内視鏡手術で完治が見込めます。早期発見のために、定期的に大腸カメラ検査を受けておきましょう。
大腸がんの原因
大腸がんの罹患者数が増加傾向にある原因は、遺伝的要因や脂質過多の食事、食生活の欧米化、食物繊維の不足、肥満などが関係しています。潰瘍性大腸炎により、慢性的に大腸の粘膜が炎症していると、大腸がんを発症しやすいです。また、40歳以降に発症リスクが上昇するといわれています。リスクがある方は、定期的に大腸カメラ検査を受けられることを推奨しています。
主な症状
大腸ポリープや大腸がんは、初期では症状がほとんど出現しません。便潜血検査で陽性反応を示しても、20%程度しか大腸ポリープが見つかりません。また便潜血検査で陰性反応を示していても、大腸がんを発症しているケースもあります。進行すると、腹痛、お腹の張るような感じ、下痢、便秘、血便などの症状が現れることがあります。これらの症状は、大腸がん以外の疾患でもみられることがあります。 人間ドックや健診などで便潜血検査を行って、陽性といわれた際は大腸カメラ検査を受けられることを推奨しています。
大腸がんの有無を調べる大腸カメラ検査
大腸ポリープや初期段階の大腸がんを見つけられるのは、大腸カメラ検査が有効といわれています。高度な内視鏡システムを導入しているため、特殊な光や画像拡大、画像処理を行えます。大腸の粘膜や血管状態を詳しく確認できるため、小さな病変も発見できます。また、検査中に一部組織を採って、病理検査で確定診断を行うことができます。なお、検査中に大腸ポリープを見つけた際は、ポリープの形や大きさを確認して、その場で取り除くことが可能です。当院では、経験豊富な内視鏡診療を専門とした医師が高度な技術で検査を行っています。鎮静剤を用いるため、眠っているような状態で受けていただけます。
日帰り手術で行う大腸ポリープ切除
検査時に腫瘍性の大腸ポリープを見つけた際は、その場で切除していきます。放置しておくとがん化しやすいため、ポリープの段階で取り除いておくことが大切です。また、検査から手術まで1日で完結するため、事前準備の下剤服用や食事制限が1回で済みます。検査の後は、リカバリースペースへ移動していただき、お休みいただいた後、検査結果の説明が終わりましたら、ご帰宅いただきます。