アニサキスとは
アニサキスは寄生虫で、幼生は魚介類に生息していますが、成虫はクジラやイルカなどに寄生しています。アニサキスに寄生された魚介類をしっかりと加熱できていなかったり、刺身などの生食を介して胃に侵入すると、胃粘膜が腫れて炎症を生じることでアレルギー反応として激しい痛みが現れます。
胃カメラ検査により、アニサキスを取り出すと激しい痛みが改善されます。なお、人間の体に長期間生息することはできないため、1週間程度で死滅します。まれに、腸閉塞や好酸球性肉芽腫を引き起こす可能性があります。生の魚介類を食べた直後に激しい胃の痛みが起こるなど、気になる症状がありましたら、速やかに当院を受診しましょう。
主な症状
アニサキスが寄生した魚介類を摂取後、数時間から半日程度で吐き気や嘔吐、強い痛みが出現します。痛みの強さは変動しやすいです。まれに、胃壁の穿孔や腸閉塞を引き起こすことがありますが、その場合は生命に関わるため、早急に手術を行う必要があります。
アニサキスの原因
アニサキスは透明な糸くずのようなもので、目で見て確認することができます。サケやイカ、サバ、アジ、サンマ、イワシなどに寄生しています。刺身や加熱が不十分なものを摂取することで感染するケースが多いです。ブラックライトを照射したり、薄造りすることで少し取り除くことができます。なお、完全に死滅させるためには、−20℃で1日以上冷凍、もしくは魚の深部まで熱を入れる必要があります。
診断・治療方法
アニサキスの診断
胃カメラ検査を行います。胃カメラ検査で見つけた際は、その場で取り除くことができます。
アニサキスの治療方法
胃カメラ検査で見つけた際は、スコープ先の鉗子を用いてアニサキスを取り除きます。完全に除去するためには、空腹状態になっている必要があります。そのため、何も摂取せずに来院しましょう。肉芽種は、数ヶ月程度で自然に治るといわれています。
予防方法
目で見て確認できるため、よく観察しておくことが大切です。鮮度の良いうちに早く内臓を取り出しましょう。なお、筋肉に侵入している場合は、発見することが難しくなります。そのため、−20℃で1日以上冷凍、もしくは魚の深部まで熱を入れることを推奨しています。アニサキスアレルギーをお持ちの場合は、冷凍や加熱を行っても、アレルギー反応を起こしやすいです。魚介類を摂取する際は、しっかりと下処理を行いましょう。
アニサキスの疑いがありましたら
速やかにご相談ください
感染してから1週間程度は、激しい痛みを生じるといわれています。当院では、患者さんの身体への負担を軽減させるように心がけています。内視鏡診療を専門とした医師が高度な技術で検査を行っています。当日に検査が受けられるように、食事はせずに空腹の状態で来院してください。また、消化器疾患の発症や胃の穿孔を引き起こす可能性もあるため、感染を疑われた際は速やかにご相談ください。
